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1.放射線影響の分類

(1) 身体的影響と遺伝的影響
身体的影響:被ばくした本人に現れる影響
遺伝的影響:被ばくした生殖細胞に突然変異が起こり、後に子孫の障害として現れる影響
         子孫に突然変異があったとしても、障害として現れない場合は、遺伝的影響とはいわない

(2) 急性影響と晩発性影響
急性影響:潜伏期間が2、3ヶ月以内
晩発性影響:潜伏期間が数ヶ月以上(白内障、発ガン)

(3) 確定的影響と確率的影響
確定的影響:・シグモイド型(S字状)で表され、しきい線量(これ以下では発症しない)が存在する
         ・しきい線量を超えると頻度は100%となる
         ・大量の被ばくをすると線量に比例して重篤度が増加する
         ・ガン、白血病以外の身体的影響

確率的影響:・しきい線量が無い
         ・集団中の発生率が線量に比例して高くなる
         ・ガン、白血病、遺伝的影響




2.個体に対する確定的影響

(1) 動物個体の半致死量
マウスの線量と死亡率の関係を右図に示す。各線量において、30日
以内に何%のマウスが死亡するかを示している。
死亡するマウスが現れる4Gyを致死効果におけるしきい値という。
約5.6Gyでマウスの50%が死亡する。この線量を半致死線量(LD50、LD50/30)と記す。
8Gyでマウスが全数死亡する。この線量を全致死線量LD100と記す。
また、人に対するLD50/60は、3〜5Gyと推定されている。








(2) 線量と個体死の様相
・不死域
0〜3Gy以内でしきい値以下の値。個体の死は見られない。

・造血器官障害死 (骨髄死)
3〜10Gyの範囲で、線量によって30日以内に個体の死亡が
見られる。放射線感受性の強い造血器官障害が原因。

・腸障害死 ( 線量不依存域 、 3.5日効果 )
10〜100Gyの範囲で、線量が変化しても生存日数は一定。
3.5日効果と呼ばれている。

・中枢神経死 (脳死)
100Gy以上の照射を受けると2日以内に死亡する。
中枢神経の障害が原因。






(3) 胎内被ばく
着床前期(2週以内):しきい線量0.1Gy、胚死亡、生まれれば正常
器官形成期(2〜8週):しきい線量0.15Gy、奇形。
胎児期(8週〜出生):しきい線量0.2Gy、精神発達の遅れ。しきい線量0.5Gy、発育不全。

3.個体に対する確率的影響
・遺伝的影響
生殖腺が被ばくし、生殖細胞に変異が起きると遺伝的影響が発生する可能性がある。
放射線突然変異(遺伝子突然変異、染色体突然変異)
自然界の突然変異を自然界突然変異といい、自然界突然変異率を倍加させる線量を倍加線量という。
倍加線量は人で約1Gyと推定される。
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